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2024/09/07 06:04 |
【わグルまSS】サキュバス登場!6/9、7/9 (18禁パート1/2、2/2)
(37)

 “勝負”は、一方的にカタがついた。
 ウィンプが知りうる限りのどんなテクニックを使っても女の表情は変わることなく、気がつけば、ウィンプは、女の手のひらの中で、子猫のように転がされていたのである。
 ぐちゅう、と、肉が潰れる音が、ひびく。
「う……、あ」
 悲鳴のような。けれどもそんな嬌声が、音に連なる。
「あらぁ、貴女……、大人しそうに見えて慣れた反応なのは……、何故なのかしらぁ?」
 ウィンプの秘部を貫くのは、女体を知り尽くしたサキュバスの、容赦のない責め。
「ひゃだぁっ……、やだ、やだ、やだぁ……ッ!」
 サキュバスは、くすくす、と嗤い、いりぐちを執拗にこね回す右指をゆっくりと抜く。
 目一杯広げられ、辱めを与えるというただその目的の為だけに固定されたウィンプの両膝の片方に、サキュバスは唇を這わせ、嘗める。
「……ッ!、ッ!、ッ!」
 舌先が皮膚をこする度、電気が流されたように背筋が仰け反る。
 けれども何よりも、ウィンプにとって耐えられないのは。
 自分のカラダが、その舌使いを。
 ……気持ちがいい、と感覚してしまうことで。
「やだよッ……ぉ」
 太ももを吸われ、途切れ途切れになる言葉は壁に吸い込まれ、消える。
「たす……、ッ、くれはれさぁ……ン……ッ!」
 思わず、叫ぶ。最愛のヒトの名を、叫ぶ。
 そうすればまるで、この舌の持ち主を、彼だと思いこむことが出来るというように。
「あははっ、貴女、んっ、くれはれクン、のコト、が、そんなにも、好き、なのねぇ?」
 ちゅ、ぱ、と、膝を優しく吸いながら、サキュバスは、聞く。
「ころしてやる……。ころしてやる、こ、ろ、してやる、っんだから……あぅっ……」
 サキュバスの人差し指が、小指ほどに充血しきった雌の芯を弾いたのだ。
 ぴしゃり、と、間欠泉のように吹き出した蜜がはしたなく飛ぶ。
「うふふ、あらあら……、強がってる割にはこんなにお汁を飛ばしちゃって……。ハシタないんだから……」
 たらり、と、太股を汚す愛液を指ですくい、わざとらしくニオイを嗅いで自らの口に運ぶ。くちゅり、と、舌が水音を立てる。
 唾液と混ぜた粘液を、こくん、と、のどの奥に送り込んで。サキュバスは、ほう、とうっとり息をついて。
「とても……、濃い……。うふ、素敵、直接、吸わせて? ね? いいでしょ? 拒まないで……。お姉さんに吸わせてみせて、御覧なさい……?」
 言うなり、うっすらと生えたウィンプの茂みに恥じらいもなく口を付けて。じゅる、じゅる、じゅる、と、はしたなく音を立て……、すすり始めた。
「やだやだやだやだやだやだ、いやです、やぁ、やめてくぁ、いやなんですぅっ……!」
  がっちりと固定された手首が痛むのもかまわずに両腕を思いっきり引っ張って、爪が手のひらに食い込むのもかまわずに力の限り両手を握りしめて……、サキュ バスの口から何とか逃れようと、前後左右に腰を一生懸命振ってはみるのだけれども……、ウィンプの下腹部にがっちりとホールドされた顔は、剥がれるどころ かその舌をより一層奥へと食い込ませる。
「う、うう、ひぅぅ……っ、ふ、っ、う、ううううぅぅぅぅぅぅっ……」
 恥辱はない。ウィンプにとって、この程度の責め、かつては日常茶飯事だったから。
 悔しさもない。女の子を散らし、貪ってきた自分だから、報いだと思えば受け入れられる。
 けれども。ただ一つ。
 ウィンプに、許せないモノがあるとすれば。
 好きなように弄ばれ、一方的に陵辱を受ける身でありながら、あっけなく開き、ひくひくと快楽を受け入れてしまう身体……。
 口ではイヤだと言っては見せても、擦れ合う粘膜のキモチ良さに期待を昂ぶらせ、次第に欲求を抑えきれなくなるだらしのないこの肉体……。
 もしも、こんな自分を……、こんな痴態をあのヒトに見られたのなら、きっと軽蔑されてしまう。
 キモチ良ければ誰とでも寝る女なんだって思われてしまう。
 セックスが大好きで、セックスのためならきっと野良犬にも脚を広げて、突かれて、腰を振って……、イッて、イッて、何度でも腰を振って……、そんなどうしようもない、淫乱、な女だっ、て、思われてしまう……。
「うふふ、可愛い、可愛い、本当に、可愛い」
 違うんです。
 私は違うんです。
 そんな女じゃないんです。
 世界で貴方だけなんです。
 私が……。
 私が……、本当に。
 ……愛。
 ……することが、できるのは。
「あらあらあらぁ、小さな乳首、こんなにもぷっくり一生懸命充血させて……」
 貴方、だけなんです。
 こんなキモチになれたのは、世界で貴方ただ一人なんです。
 ……貴方だけを、想ってるんです。
 こんなのは、だからきっと、ウソ、なんです。
 身体のこんなキモチよさは、だからホントのキモチ良さなんかじゃなくて。
 全部ニセモノで。
「ここも……、ここも、ここも、舐めてあげる……、素敵……」
 だから、私の初めては、貴方の為にあるんです。
 ……貴方に抱いて、貰いたいんです。
 けど、そんなこと、絶対に口に出しては言えないから。
 ……ハシタない女の子だ、って、思われちゃうから。
 ……手を握っているだけでも、お喋りするだけでも、ううん、貴方の姿を一日にただの一目でいい、見ることができるだけでも、それだけで、私は本当に、本当に、幸せなんです。
「うふふ、そうだ、いいこと考えたわぁ。貴女を私のペットにするの、どうかしら。そうすれば、何時でも好きなときに可愛がって上げられる。どこだって舐めて上ある。どんな穴だって。どんな体位でだって。好きなようにシテあげれる」
 貴方のことを、考えただけで。
 心の奥が、きゅっ、て、なって。
 頭がふわふわしてしまう。
 ……ほんとうに、どうしようもないくらい、一目惚れ、なんです。
「決めた、貴女は私のペット。大丈夫よぉ、躾はそんなに厳しくしないわぁ。まずは、おすわりとチンチン、ってとこかしら。座らせた後、太いチンチンで両方の穴を何度も何度も突くの。貴女素質あるもの、きっとそれが大好きになるわぁ」
 世界でたったの一人なんです。
 貴方が私の、初恋、なんです。
 だから。
 ……くれは、れ、さん。
 いつか、私のこと。
「うふ、見つけちゃった、貴女の可愛らしい、処女膜。うふふ、だけれど、こんなもの」
 迎え、に、来て、くださいね。
「ペットには、邪魔なだけよねぇ?」
 下腹部の痛みが、ウィンプの思考を断ち切った。


(38)

「……ふ、っ、ふっ、ひゃふ、ふぁう、……っ」
 サキュバスの指が、ウィンプの下腹部に沈めた指を前後に往復させる度に、ウィンプの口からは力の入らない声が漏れる。
  両手と両膝でカラダを支えたドギースタイル。テーブルの上に座らされたウィンプの背にまたがったサキュバスがリズミカルに動かす指は、一度も狙いを外すこ となく的確にウィンプの性感帯を責め立てる。快感にあらがうことが出来なくなると、ウィンプの小振りの尻と細い腕はサキュバスの体重を支えきることが出来 なくなり、潰れる。そうなると、サキュバスの指は、それまでの優しい愛撫がまるで嘘のような乱暴な指使いでウィンプの菊座に進入し、それが罰とばかりに、 まるで直腸が裂けそうになるくらいの勢いで不浄の穴を激しくこねて、責め立てるのだ。
「うふふ、怠けちゃダメ。ペットはご主人様の言うことちゃんと聞かなきゃ、ね?」
 ぱちん、と、優しく尻たぶを叩く。その振動が、ぴんと力一杯背伸びしたウィンプの女芯に響き、ぴちゃり、と愛液が吹き出す。絞った果実のように弾けたウィンプの淫ら汁が、ぱたぱた、ぱた、と、テーブルを汚す。
「ううぅぅぅううっ……っ!」
 力一杯歯を食いしばりながら、耐える。
 耳元で、サキュバスが、囁く。
「イきたい、んでしょう……?」
 ウィンプは、頭の中で次々と破裂する快感の波におぼれそうになりながら、けれども目をぎゅっと閉じ、思いっきり歯を食いしばり、おへその上になんとか力を入れて、耐えて、ふるふると首を横に振る。
「い いのよ、イっても。……苦しいんでしょう? イかせてあげる。……だから、ね、我慢せずに、言いなさぁい? イかせてくださぁい、お願いしまぁす、っ て……、ペットになりまぁす、何でもしますから、って、そう言うだけで、何回でも、何回でも、本当に好きなだけイかせてあげられるのよぉ?」
 サ キュバスの爪が、からかうように、ウィンプの敏感な部分の一歩手前をかりかりとかく。もう少し奥、ほんの少しだけ奥でいいから……。自分のカラダのキモチ いい場所なら誰よりもしっているつもりで居たけれど……、出会ったばかりのこのサキュバスは、思っても見なかったようなやり方で、ウィンプのカラダを責め 立てる……。
 おかしくなってしまう……。
 あとちょっとでイけるのに……。
 もうひとかきで、本当に気持ちよくなれるのに……。
 このサキュバスは、そのギリギリを見極めて、絶対に一線を越えてくれない。
 焦れったい。それが、やり方だと分かっている。
 その指を欲しい場所に何とかして届かせようと、同時にそんなのは無駄と知りながら、腰をいやらしく振ってみる。まるで快楽に飢えた娼婦のように。尻を振る度に、太股を暖かいモノが垂れる。
 ほんのワンタッチでいい。
 それだけで、絶頂を迎えられる。
 そのはずなのに……っ!
「うふふ、ズルはだめ。イきたいなら、ちゃんと口で言わなきゃ。アクメください、って。……ペットになります、って。イクに当たっての貴女の誠意、きちんと私に見せてくれなきゃ。私だって本当はこれ以上、貴女を苦しませたく、ないのよぉ?」
 咎めるように、ぴしゃり、と、尻を叩く。
「ふあぅ……っ」
 ……自分が、この女の言葉をどうして拒んでいるのか分からない。
 プライドのため?
 それともくれはれさんのため?
 けれどもウィンプは知っている。私がこんなにくれはれさんのことを好きでも、くれはれさんは私のことを好きになってくれるとは限らない。
 いくら頑張ってみたところで、そんなのは私の勝手な片思い。
 成就するかどうかなんて分かりっこない想いのために必死に耐えてみせることなんて、ないんじゃないか、って思ってしまう。ふと、そんなことを考えてしまう。
 くれはれさんのことを、考えてしまう。
 その瞬間、たらり、と、ハシタなく蜜が垂れる。
 くれはれさんのことを考えただけで、まるでオモラシしたみたく、カラダの奥からどんどんどんどん汁が漏れ出してしまう。
 本当に、情けない。
 惨めな雌だ。
 私は私に絶望する。
 私なんて、結局その程度の存在なのだ。
 テーブルの上で屈辱的な格好を強いられて、初対面の相手に尻の穴と女の子の穴をほじくられて、好きなヒトのことを考えながら舌の口からだらしのない涎を垂らす。
 そんな、どうしようもない肉慾の塊。
 肉の、塊。
 これ以上ないほど欲情して。
 動物みたいに盛って、期待のあまり自分ではどうしようもないリビドーをみじめなくらい昂ぶらせて、そんなになりながらも、好きな男のヒトのことを……、考えるのを、やめられない。
 …………私を責めさいなむこの指が、あの人のモノだったらいいのにって考えてる。
 あの人の目。あの人の口。あの人の舌。あの人のカラダ。……あのヒトの……。
 あのヒトになら、どんなに乱暴にされても耐えられるのに……。
 どんなに蹂躙されても、ううん、たとえイタくされても、そんなのは幸せな愛情表現にすぎなくて……。
 ……お姫様のように、抱きしめられたい。
 ……オモチャのように、抱かれたい。
 只の二匹の獣のように、ただの貪り合う雄と雌のように、求め合って、絡み合って、果てたい……。
 くっつけ合って、こすり合って、触り合って、舐め合って、慰め合って、入れ合って、出し合って、そして最後に、優しく笑い合って……。
 けれどもそんなのはきっと、ただの叶わぬ願望にすぎなくて、叶わぬならば、せめて、その振りでもしていたい……。
 だからせめて、私を責めるこの指を貴方のものだと錯覚して……。
 私を犯すのが……、…………くれはれさんの……、ソレなんだ、って錯覚して……。
 それならば、こんな陵辱だってきっと耐えられる……。
 そう、私は今……、くれはれさんに……、オカされてるんだ、って、考えれば……。
「……イかせて……」
「うふふ、いい子ね、お望み通りにシテあげるわぁ……っ!」
 ……くれはれさん……。
 ……ごめん、なさい……。











【わグルまSS】サキュバス登場!7/9 (18禁パート2/2)



(39)

「あうっ、っやう、めぇ……っ! あん、あうぅ……っ、やぁ……っ、!あーーっ!、あーーっ!、あん、あん、あん、あん、あんっ、あ……っ……っ、っ!」
 細い指が、ウィンプのいきり立った肉芽をコスり、押しつぶす。それは今までのような優しさのあるタッチではなく……、奥に秘めた柔らかな芯を無理矢理ほじくり出すような、暴力的で、執拗で、容赦のない責め。
 先の刺激とのあまりにも激しいギャップに、ウィンプは恥も外見もなく動物のような鳴き声を上げる。イヤイヤをするように首を左右に振りながら、突如として押し寄せた快感の波に自我を保つことができない。
「う ふふ、いい声で鳴くのねぇ……。そしてごめんねぇ、お姉さん、優しくするの、飽きちゃったの。貴女となら、やさしく愛し合えるって思ったんだけど……、 ペットにしてあげようって思ったんだけど、もう駄目、もう待てない、もう我慢、できないわぁ。貴女、本当に可愛いんだもの、滅茶苦茶にするわぁ。壊してあ げる、セックスのことだけしか考えられないカラダに改造してあげるぅ……」
 何度も何度もイかされる。カラダにはもはや力を入れることも出来ず、それでもウィンプはクラゲのように脱力しきった四肢をなんとか動かして、サキュバスの身体を少しでも遠くへ追いやろうとする。
 そんな、ウィンプの必死な努力をサキュバスは難なくはねのける。
「抵 抗なんてしなくていいのよぉ、貴女は黙って感じてればイイの。うふふ、ところで貴女、ここまででもう何回イったんだったっけぇ? ねえ、教えなさい、もう 何回イったのかしらぁ? 三十回? 三十五回? それとも四十回っ? ひょっとして、四十回もイっちゃったのぉっ!?」
 サキュバスは、マグロのように脱力しきったウィンプの弾力のある身体に覆い被さり、膝と指で洪水のように濡れそぼった下腹部に更なる快感を加えながら、乳首や腋や首筋を……、神経の集まる敏感な部分を唇と舌で愛撫する。
「お姉さんはね、何回イったかでその子がどれくらいイヤらしい女の子なのかが分かるの、だから、ね、白状なさいっ!?、貴女のこのイヤらしいカラダ、もう何回イっちゃったのかしらぁっ!?」
 その間にも、暖かみのある舌が、内耳のヒダをくすぐり回す。カラダを緊張させる間もなく、耳たぶが口に含まれ、優しく甘噛みされる。その間にも、股間からはお漏らしをしたように愛液が滴る。
「な、なにゃかいでしゅっ!」
 ウィンプが早口の悲鳴のような声で、そう叫ぶ。私は七回イったのだ、と、そう叫ぶ。
 けれども。
「嘘吐きッ!」
 股間に差し込まれた指が凶悪な振動をウィンプの一番敏感な場所に加える。
「ァひギゃぅ……ッ!」
 サキュバスに抱きしめられたウィンプのカラダががくがくと小刻みに痙攣する。
「七 回っ!? そんなことある訳ないじゃないっ! 分かってるでしょおっ? これがイクっていうコトなのよッ! 何度も何度もッ! 貴女、さっきからイきま くってるじゃないッ! 何度も何度もイッてイッてイって、ばかになった蛇口みたいにヨダレと愛液滴らせて、体中からメスのニオイをぷんぷん発散させて、に もかかわらず七回しかイってないなんてコトありえるワケがないじゃないっ! どうしてそんな分かり切った嘘をつくのかしらあっ!? 私、不順なペットは嫌 いなのッ! ふざけたことをイってると、貴女をこのままの格好で玄関まで引きずり出して、そのへんの男たちに犯させるわよおっ!?」
 サキュバスは、言いながらもウィンプの秘所を痛いほどの勢いでかき出す。
「っごめんなしゃいごめんなさいごめ、んなさいっ! 八十回ですっ、私もう八十回イっちゃいまひた、だからおもてにひきずりだすのやめてぇ…………」
 ぐす、ぐす、と、すすり泣くウィンプに。
「男たちに犯されるのがそんなにイヤなのぉ? 肉奴隷になるの、イヤぁ?」
「イヤでひゅ、イヤですぅ…………、ぐすっ」
「あらあらぁ、うふっ、泣くほどイヤなのね。けど、はっきり言わなきゃわからないわぁ。肉奴隷になるのイヤです、って、言いなさぁい?」
「……っ、イヤです、ニクドレイになるの、イヤなんですっ……」
「うふふ、どうしてイヤなのぉ?」
「そういうのはイヤなんです、ごめんなさい、イヤなんです……」
「それじゃ、答えになってないわぁ」
「…………みんな、に、みられたくないぃ……」
「みんなって、たとえば誰のことなのかしらぁ?」
「イヤ……、イヤですぅ……」
「答えないと肉奴隷よぉ?」
「ク・タンザさんとか……、アルマさんとかぁ……、っ」
「それだけぇ?」
「スティンクレシーさんにも……、ふひひ丸さんにも、ぴょん子さんたちにも見られたくないんですぅ……っ!」
「本当に、それだけなのかしらぁ?」
「……くれ、はれさ……、くれはれさんにもぉっ!」
「うふふ、そうなんだ、貴女は痴態、くれはれクンにみられたく、ないんだぁ。けど、くれはれクンはきっと貴女の乱れる姿、とっても、とっても、見たいはずよぉ? それどころか、貴女のこと、みんながみてる前で率先して犯しちゃうかも」
「そんな、こと、ないですぅ……。くれはれさん、は、そんなこと、しない……」
「するわよ」
「くれはれさんは、しません……」
「するの。くれはれクンはきっと貴女のこと、脇目も振らずに一生懸命犯すわ」
「ちが……」
「だって。くれはれクン」
「発情したイヌみたいに、初対面の私を抱こうとしたんだもの」
「嘘ですっ!」
「うふふ、貴女、最初に会ったとき、どうして私からくれはれクンのニオイがしたのかって聞いたわよねぇ?」
「私 を抱こうとしたからよぉ? それが、答え。うふふ、分かったでしょう? くれはれクンはね、メスのニオイを嗅いだら見境泣くサカっちゃう哀れな哀れなオス なの。女のカラダでオチンチンおっきくして、つっこめる穴だったらなんにでもつっこみたくなっちゃうような哀しい哀しいオスなの。貴女、くれはれクンと セックスしたいんでしょう? 大丈夫、できるわ。だって、今の貴女、くれはれクンにぴったりの、穴、以外のナニモノでもないのだもの」
 ウィンプは、叫ぶ。そんなこと信じない。そんなこと信じられない。くれはれさんは、そんなコトするヒトじゃ絶対にない。
「イ ヤあっ! イヤ、イヤ、イヤイヤイヤイヤっ、イヤあっ! くれはれさんは、そんなコト……、そんなこと、そんなこと、するわけないんだからあっ!、くれは れさんは、カッコよくて、優しくて、けどちょっとニブくて……、みんなのこと想っててくれて、優しくて、……ほんとうに、優しくて……っ!」
「そ うかもしれないわねぇ。けど、残念ながら、くれはれクンも、オスなのよぉ。オスはだれだって、可愛いくてエッチな女の子を見たら、腰を振りたくて仕方がな くなっちゃうものなの。貴女の身体を気持ちよくなるための道具みたいに何度も何度も突いて突いて突いて、滅茶苦茶に犯したくなっちゃうのねぇ。貴女の膣の 奥の奥まで差し込んで膨れ上がったペニスの先から、どろどろのゼリーみたいな精液をね、びゅーっ、びゅーっ、びゅーっ、びゅーっ、って、勢いよく絞り出す ことしか考えられなくなっちゃうイキモノなの。貴女の身体はオモチャなの。小柄な身体。小さくて引き締まったお尻。まあるくてカタチのいいおっぱい。かわ いらしい顔。恥ずかしがり屋さんの性格。貴女のそういう全部のパーツは男を発情させるための餌なの。男はね、貴女を襲って奪って散らすことしか考えてない ケダモノなの。野蛮で残酷にできてるから、貴女が孕むまで突いたあとは貴女を捨てて別の女を探して犯すの。犯して捨てて、犯して捨てて、それで平気な顔を していられる本当に不潔なイキモノなの。だから、ね。肉奴隷にするっていったのは、嘘。男なんかには、貴女のこと、絶対に渡さないわ。だから、ね、安心し て。私たち、女の子同士、怖いことや醜いことは全部全部忘れて、一緒にキモチく愛し合いましょう……?」


(40)

  弱いところばかりをねらってイソギンチャクのように絡みついてくるサキュバスの手をウィンプは必死で掴む。片手でも封じることが出来ればこのどうしようも ない刺激を防げるはずだから。けれどもサキュバスは逆にウィンプの手首を握り、サキュバス自身の股間へと導く。サキュバスの指がウィンプの指に絡みつき、 リードする。ウィンプの耳元でサキュバスは囁く。
「……一緒にキモチよくなりましょう……?」
 そのコトバに、ノウミソが溶かされる、気がしたのだ。
 さきほどとは打って変わって、本当に優しい、本当に優しい、口調。
 逡巡の後、ウィンプは、不安げにうなずく。うなずいて、サキュバスの輪郭に合わせて指をゆっくりと前後させる。
「……そう……、そう、いいわぁ……、あん、うふ、お上手」
 ウィンプは、誉められてほっとする。それと同時になんだか嬉しくなる。認められた気がしたのだ。
 だけれども。
「けど……」
 と、サキュバスのそんな言葉に、ほんのわずかにカラダが堅くなる。けど、って、なんだろう? 私、何かいけないコトしちゃってたら、どうしよう……。
「うふ、けど、ちょっと優しすぎるかもしれないわぁ。もっと強く……、もっと強くしてくれてもいいのよぉ? ぁん、そう、そう、その調子」
 良かった。怒られたわけじゃ、なかったんだ。ほっとして、ウィンプは、憑かれたように指を動かす。中に入れて、指をひねり、自由に動いたかと想うと一カ所で立ち止まり集中的に刺激する。
「ふふ、貴女、エッチなのね……、そうでしょ?」
 ウィンプは、聞こえなかった振りをする。そんな質問に答えるのは、恥ずかしい。
 と。
「黙ってないで、答えなさぁい?」
 ウィンプの股間に加えられる刺激が一段階強くなる。その指使いはキモチイいとイタいの中間点。ウィンプは、サキュバスの意図を理解する。イタいより、キモチいいほうがイイに決まってるから、ウィンプはあわてて言う。
「そうですっ、私、エッチが好きで……、ふぁ……ッ!」
 それまでより深く突き入れられたウィンプは、そのキモチ良さに、思わず小さく悲鳴を上げる。
「ふふ、エッチが好きで、なんなのかしらぁ?」
 サキュバスに負けじと、ウィンプも必死で指を使う。
「一人でも、その、するの、好きだし、こうやって、ヤられるのも……ッ、……ッ、……ッ、だいしゅっ、きッ、……ッ! 、ッ! 、ッ!」
 その瞬間、ウィンプは身体を痙攣させて、恥ずかしげもなく潮を吹く。
 透明な液体を身体で受け止めたサキュバスは、くすり、と笑って身体をズラし、今なおひくひくと物欲しげに蠢くウィンプの割れ目にゆっくりと顔を近づける。
 ウィンプは、上半身を持ち上げて、たった今、下半身で起きていることを心配そうな目で見つめている。
 サキュバスの呼気が敏感に濡れそぼった秘所に当たる度にウィンプは身を震わせ、時折、ぴゅっ、と愛液を吹き出す。
 そうして吹き出た自らの体液が、サキュバスの美しい顔を汚すのを見る度に、ウィンプはとても背徳的な快感に襲われる。
 サキュバスは、けれども何もしない。
 ニオイを嗅ぐわけでもなく、舐めるわけでもなく。口を付けるわけでもなく、舌を突き入れるわけでもなく。
 ただ、ウィンプの、ヒクつく女性器からほんの三センチほど離れた場所に顔を起き、挑発するような上目遣いをウィンプに送る。
 ウィンプは、たまらない。
 もっと、イジって欲しい。イジメて欲しい。かき混ぜて、ぐちゃぐちゃにシテ欲しいのに、サキュバスはそうやってウィンプのことを焦らしている。
 しびれを切らしたウィンプは、ほんのわずかに腰を浮かす。
 そうすれば、まるでサキュバスがそこに口を付けてくれるとでも言うように、準備万端の肉の姫壷をサキュバスの顔に近づける。
 けれどもサキュバスは、近づけた分だけ顔を逸らす。
 どうして……っ、どうして、舐めてくれないんですか、どうして、どうして、どうして……。
 ウィンプは泣きそうになりながら、腰を持ち上げ、腰を下ろして、改めて腰を持ち上げて、サキュバスに無言で慈悲を乞うが、サキュバスはそのたびに顔を逸らしてどうしても口を付けてくれない。
 と。
「貴女、すごいにおいねえ……」
 そんな、呆れたようなサキュバスの声がウィンプの耳に突き刺さる。
 ……っ! どうしよう、きっと、臭かったんだ……。ニオイが本当にイヤだから、いくらせがんでも顔を逸らしてたんだ……。なのに、私は、そんなことにも気づかずに、舐めて貰うことばっかり考えて恥ずかしげもなく腰を前後に振って……。
 そんな恥辱で一杯になりながら、今にも泣きだしそうになるウィンプの顔に、サキュバスは小さく微笑みかけて、舌の先で、ちょん、と、ウィンプの真っ赤なクリトリスの先端を、舐め、ほんの少し、コスる。
「………………ッッッッ!!!!」
 思わず腰が、引く。
 それほど気持ち良かったのだ。
 まるで、そこにスタンガンを突きつけられたみたいに強烈な刺激。
「本当に、すごくエッチなにおい。甘くて……、淫らで、とろけそうな。女の子の、ニオイ……」
 今度はサキュバスはそう言って、スイカの果肉にかぶりつくように、ウィンプの下半身に顔を押し当て……、肉付きのいい唇と長い舌をいやというほど使って、滅茶苦茶に、責め立てる。
「あぎぃっ、ひぐ、ん、く、ふゃあ……、ン……ッ!」
  ウィンプは、おとがいを反らし、首をぶんぶんと左右に振りながら……、両手を使って、しがみつくサキュバスの頭をふりほどこうと、必死になる。サキュバス の角を握り、がくがくと前後に揺さぶり……、腰をひねり、両足をばたつかせながら、その快感からどうにかして逃げようと一生懸命試みる。
 けど、どんなに頑張っても剥がれない。
「ひい、ひい、ひい、ひい、ひい、ひい、ひい……」
 剥がれない。
  だから、サキュバスの口を剥がすことは諦めて……、押し寄せる快感の激震から身を守ることだけを考えて……、歯を食いしばり、力一杯胸を抱きしめ、足を指 先まで、ピーン、と延ばして……。けれどもそんな防御姿勢を簡単に突き抜けてやってくる快感、その一撃一撃がすべて生まれて始めてであるような、とてつも なく真っ白なキモチ良さの衝撃に、ウィンプの意識はどうしようもないくらい打ちのめされて……、やがて考えることが出来なくなり……。


(41)

 目を覚ましたら、優しく微笑みかける顔。
「気がついたのねぇ?」
 どうやら、意識をとばしてしまったらしい。
 答える間もなく、そのヒトは私に優しく口づけをしてくれる。
 暖かくて柔らかな唇だ。そんなことを考えた瞬間、私は早くも股間を濡らしている。
「っく、ぷはぁ……」
 長い長い長い時間、唇の柔軟さとナメクジのような舌を絡ませ合う無呼吸の儀式のあと、ようやく口が離れて私の口には暖かな唾液だけが残る。
 頭の中が、ぼう、っと、している。
 そのヒトは、私のことを愛おしげに見つめたあと、その場にそっ、と、自分の身体を横たえる。
「私、しばらくここに、横になるから……ね?」
 そう言って、最後にもう一度ほほえんで、ふ、っ、と、目を閉じる。
 綺麗な身体。
 まるで、陶磁器のような……。
 透き通った、つやつやの、肌……。
 ……私には、分かっている。
 このヒトが、何を望んでいるか、たぶん分かっている。
 私はこのヒトのすぐ傍まで四つん這いで這っていき、身体全体を見渡す。
 目はまるで死んでしまったように閉じられている。
 呼吸がどんどん激しくなる。
 間違っていたらどうしよう……。このヒトは、別にそんなことを望んでなくて、ただ本当に横になって目を瞑りたいだけだったら……、どうしよう。
 私は小さく息をのむ。
 覚悟を決めて、その肌に、そっと顔を近づける。
 勇気を持って……、唇を、つける。
 その瞬間、女の人の身体が、小さく緊張した気がした。
 まるで、これから起こる出来事を、期待してでもいるように。
 私はその考えに勇気をもらう。
 勇気をもらい、舌を這わして……、乳房の周囲を、舐めあげ、イタくならない程度に肌にそっと歯を立てる。
 このヒトは、何も言わない。だったらきっと、間違ってはいないと言うコト。
 だから私はもっと大胆に、口のほかにも指を使って……、このヒトの身体を責め立てる。
 ときどき、快感にあらがうように、ピクッ、て、カラダが動く。
 感じてくれてるんだ……。
 そう思うと嬉しくなって、もっともっと頑張りたくなる。
 ……いつしか私は夢中になって、片足を開き、持ち上げて……。
 ……粘膜と粘膜をコスりあわせて……。
 ……気持ちよさの波が打ち寄せる度に、小さな悲鳴を上げながら……。
 ……一生懸命腰を動かして……。
 そのときにはもう女のヒトも寝たふりをしているわけにはいかなくなっていて。
「あぁん……っ!」
 とか。
「すごいの……」
 とか。
「駄目……ッ、そこ、弱いからぁっ!」
 とか……。
 そんな嬌声をあげていたから、それを聞いた私はより一層得意になって。
 さっき、イジメられたお返しに、このヒトの熟れきった秘所に口を押し当てて。
「あん……、あん、うふ、ああっ、すごいっ! すごいのっ! ああ、ああっ……」
 ……知ってる限りのテクニックを全部使ったから。
「いく……っ、いくいく、いくぅッ!」
 とうとう、このヒトをいかせることが、できた、ん、です……。
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2013/12/24 06:20 | Comments(0) | 未選択
奇麗な鳥と、奇麗な鳥と
ほら、といって空を見上げると
そこには奇麗なお星様
それはいかにも涼しげに
周期を決めて瞬くのです

ほら、といって空を見上げると
そこには大きな入道雲
それはいかにも涼しげに
流れを決めてたゆたうのです

一方の空の上では

地面の工事を眺めながら
奇麗な鳥と、奇麗な鳥とが
くちばしの鋭利さを競わせながら
互いに肉を突き刺します

一たび鳥が一突きすると
茶色い小羽がぱっと舞い
一たび鳥が羽ばたくと
赤い飛沫が飛び散るのです

空を眺めて暫くすると
小さな可愛い断末魔
茶色い鳥は死体となって
流れ星の真似をして落下するのです

空を眺めて暫くすると
星のきらめきや雲の眺めや
そういった自然の綺麗さが
ぼんやり見えるその隙間
鳥は大きく羽ばたいて
わがもの顔で行き来する
その隙間にこそ
自由があるのです

2009/09/26 21:00 | Comments(0) | TrackBack() | 未選択
黄色や緑や困惑を
初めに愛がありました
愛は爛れて虫になり
跳ねたら大きくなりました
緑の虫は脱皮して
足が六本取れました
足は流され水に浮き
災害救助で役に立つ
足は流され水に浮き
今夜の子犬の夕飯に

続いて嫉妬がありました
嫉妬は奇麗に割れたから
破片で絵の具が作れます
けれども緑の色だけは
どこを探しても見当たらぬ(だから)
緑の虫を探し出し
中身を捻って色にします
緑の虫を探し出し(そして)
森の木の葉を塗れるのです

最後に憎悪がありました
憎悪がひとたび生まれ出でると
落ち葉を集めてひとまとめ
そこに憎悪を振りかざし
キャンプの種火にするのです
憎悪の炎は燃えあがり
やがては民家に延焼す
憎悪の炎は燃えあがり
夜の闇夜を照らすでしょう

黄色や緑や困惑を
一つにまとめてぐずぐず煮ると
憂いに沈む人の心は
ぽっかり素敵に浮かび上がって
虹をまとって輝き出す
みんな奇麗に出来上がり(すると)
隣の奇麗に嫉妬して
みんな奇麗に出来上がり(つまり)
隣の奇麗を剥がし取るのです

2009/09/26 20:42 | Comments(0) | TrackBack() | 未選択
白熱して沈殿した
白熱して沈殿した不活性物に火をつけようとしろ。
その努力は報われない、報われない、報われない。
報われないからよろしいのです。
白痴とか精薄とか無様とか非人とか、そう言った言葉で人でない何かを人であるように励ますようにして
沈黙を奏でるのだが、うまくいかない理由は分かり切っていて、というのも、
羅列した螺旋の縦一文字の強迫観念の棺を次から次へ、次から次へ、次から次へ。
開けっぱなしにようとするのだけれどもそれは瞬く間に閉まることからもいち早く察せられるような、
愚連隊の人脈、
不必要な崩落、
それにもまして窮屈で一生懸命な暴徒の群れの指導者を刺し殺した鉄の棒が抜けなくなった地面に滴り落ちた一滴の汗のようにして奏でられる精一杯のカラスの鳴き声にも似た自動演奏盤の砕け落ちた破片の最後の塊を無感動につま先で踏みにじるとき、それを見てどのような人物然としたカミキリムシの親玉が嗚咽とともに投身自殺をやりたがって人々にひき止められようと我関せずの超然とした無神経さがその空間に張り巡らされた策謀の糸の一端に触れたとき、教会の屋根のように瓦解を続けんとする洞窟の底に張られた後に見向きのされなくなった水たまりの一部分を構成するただ一粒の水分子が振動することによって瞬間的に始まった直後に終わった後は瞬く間、なかったことにされても誰も、何も、意に介すことが無いくらいにナノスケールの、けれどもそれは確かにそれはあって、そしてそのことを証明するあいだにも不安げに瓦解していく教会、境界、教会の屋根のようにして子供達はぎらぎらと笑いながら照りつけるのでしたが、それを受けるだけの鏡や、それを受けるだけの精神的な余裕は尚の事、記憶にとどめるために必要なだけの光量すら許されないがためのただただ響き渡る笑み声が頭蓋骨を通して鼓膜を震えさせ、脳髄の表層から無意識の深淵へと沁みがり入ってゆくから怖いのですという告白を無知の彼方に聞きながら、亡者は手を合わせられることに意味を見出すかのように手を合わせる際のこすり合せがきゅう、きゅう、きゅう、と泣きおる。
悪魔とか、天使とか、堕天使や、極楽や、天上や、その他の蓮や、満載の、つまり現代の神話におけるバスのテールランプが浮かび上がらせる心地よい忘却への一本道、地蔵菩薩、ファルスすなわちルクソール神殿のオベリスクに比喩される機能体、欲情した静電気や発熱したオーロラの電子線が幾重にも幾重にも仮想的に抽象的に重なり合ったモザイクとして意味をなさんと計画づけられた時のまさにその一瞬にしか宿らない神なのだとしたら、そして後にも先にもその一瞬としての沈黙を保ち続けることだけを頼みに研ぎ澄まされてきた精神状態のような日本刀の切っ先に生じたけれどもたった一本の蜘蛛の糸のような筋が、濁りが、古の都がかつてあったようにして想像される原因となった廃墟のような結末をもたらすのだとしたり、あるいは堕落した七面鳥を呼び寄せてサバトを開いたときの五分間目の狭間に生じた断絶じみた沈黙のような偶然が意図されたものであると信じるか否かが信仰心の分かれ目であるような一世一代を演じ切る絶妙な心理状態を再現するのだとしたら、悪魔はそこにいる必要があるし、そこには名前がつけられる必要があるし、名前は広く、世に知られる必要があるのだとは思いませんか?
困惑の神殿は今この瞬間も、きゅうきゅう、きゅう、きゅ、う、と手のひら、手のひら、手のひ、らを擦り合わせるような切なさで泣き喚き続けることにより、哀れな亡者の魂をその胸の内にひきとめ続けるような謀略の果ての忘却作用、それは重ねられた罪の重さに起因するものではなく、それは埋められた骨の密度に起因するものではなく、それは首を落とされた鳩の風切り羽を踏み固めて作った電子力発電所が一時間あたりに供給する総ワット数に比例するものですらなく、だとしたらそれに比せられるものと言えば紺色のベレー帽から溶け落ちた一滴の染料を飲み込んだネズミの糞から作られた人形細工のきめ細かい肌にも似た夕焼けの空を滑り落ちる旅客機の乗客達のえも言われぬ倦怠感なのだとしたら、結局のところ滅びるかもしれないと危惧された文明など初めから大した事ではなかったのだという確信がますます滑稽なものになるばかりなのです。

2009/09/20 03:19 | Comments(0) | TrackBack() | 未選択

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